まなびとプロジェクト

第19回まなびとプロジェクト(講師:鴨下一郎衆議院議員)を開催しました

投稿日:2011年10月17日

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10月6日(木)第19回まなびとプロジェクト「異業種勉強会との交流」が開催されました。鴨下一郎衆議院議員を講師に「『日本の産業構造転換の在り方』-めざすべき社会に向けて、具体的に為すべきこと―」と題して、MBA取得者を中心とする勉強会「アーリーバード」の皆様が対象。冒頭に鴨下一郎議員が基調講演を行い、その後、参加者と盛んなディスカッションが行われました。

鴨下一郎衆議院議員の基調講演のポイントは以下の通りです。

◎震災復興に対する第3次補正予算の財源についてはどうするか?
 政府・与党内でも、また自民党内でも意見あるが私はこの状況下で増税には反対。Pay As You Goの論理は必要だが「百年に一度」といわれる災害復旧を現役世代からとる根拠は不明。「震災復興に伴う負担増を将来の世代に先送りしない」(野田総理)→インフラは将来に渡って使うのであれば、60年償還の建設国債でもいいのではないか?増税ではなく歳出削減や民主党マニフェスト見直しのチャンス になると思う。そして何よりも経済への影響が心配される。

◎税と社会保障の一体改革について
 今、社会保障に100兆円(年金50兆円、医療35兆円、介護8兆円、その他生活保護等)掛かっている。2010年代の半ばに消費税を10%に上げるとなっている。そして団塊世代が65歳を迎えて年金世代に入ってくる。その後10年で75歳の後期高齢者に入ってくる状況。その時に現役世代がどこまで支え切れるのか、社会保障が持続可能なのかを考えなければならない。増税の前にやらねばならない事として、デフレや円高の対策について、あらゆる政策を動員していかなければならない。財政政策だけでなく、金融や規制緩和も含めて、政治が努力して、税金を上げても大丈夫な様な経済に変えなければならない。

◎国民の欲求水準の変化
 日本は高度成長期までは、経済の成長を一義的に求めてきた。今、本当に政治が目指すものは経済成長だけなのか。むしろ国民も目指す方向や欲求水準が変わって来ているのではないか。最近は、携帯電話やブログ、ツイッターなどを駆使して、自分の居場所やポジションを他者に認めてもらいたいという願望が強くなっている。そして今は、警察や消防、他のインフラも整い安心・安全が守られている前提で、我々はどういう欲求を満たすために社会に参画しているのか。こうしたことを根本的に見直す時に来ていると思う。従って、政治は多様なニーズをどのように受け止めるかが重要になってきている。

◎世界の中で日本の一番の競争力とは何か
 今までの産業技術は確かに優れていたが、他の国もそこそこ成し遂げる事が出来るものばかりだ。ハイブリッド車でも電気自動車でも。その中で、絶対に追い付けないものは長寿だ。中国が長寿をまねようとしても100年はかかる。元気で長生きできるのは日本が世界一だ。人類史の中でも不老不死を目指してきたが、1億人規模でそれを成し遂げたのが日本だと思う。他の国では、日本の長寿の医療パッケージの技術を導入したいと言われた。これは単に、薬や医療だけではなく「ジャパニーズ・スタイル」そのものだ。シャワートイレや入浴、寿司、発酵食品の摂取など、日本人の生活そのものを導入するもの。長寿は日本のキラーコンテンツになるのではないかと思う。そこで、車もそうですが、長生きしたければ日本の物を使えと宣伝したらどうか。こうした取り組みは国を挙げて行うべきだと思う。

◎コンパクトシティの街づくり
 政治家は、国民の多様な価値観を入れる器=都市を作らねばならない。田舎に住むと自分の居場所は分かるが煩わしい。大都会だと匿名性はあるが疎外感を覚える。ならばその中間に心地良い住まい方ができるのではないか。コンパクトシティは人口規模でいうと30〜50万人。歩いて比較的暮らせる。ガバナンスも効きやすい。帰属意識も満たされる。しかし煩わしさはないという条件は、30万位の都市だ。環境効率のいいスマートシティも30万人規模だ。これは、アメリカの心理学者マズローの言う自己実現しやすい街の規模だ。こうした観点から政治も地方分権や街づくりに加味していくべきだ。

◎日本の医療パッケージとは「日本は世界の越中富山に」
 日本のアドバンテージがある程度取れるものは、薬・デバイス・再生医療だと思う。昔は外科治療か薬で治すかだけだった。今は、血管の中にステントを入れて心筋梗塞を治す等の画期的な技術が確立されてきた。こうした技術を国策でやっていくべきだ。いつまでも家電と自動車だけだは駄目だと思う。世界は長寿を求めている。これをきちんと産業に活かしていくことが、日本の次世代の富をもたらす事になると思う。例えば薬を中国に売るだけも大変な富をもたらすわけで、「世界の越中富山」になるチャンスはあると思う。

鴨下議員の基調講演をもとに、出席者やパネリストからは、以下の論点について古屋学院長、鴨下衆議院議員と積極的な議論、意見交換が行われた。

○戦後復興時の様に、国が重点基幹産業を決めて推進することは可能なのか。

○産業構造の転換の議論と、国民の数からみて、家電や自動車メーカー等の産業界の在り方は今のままでいいのか。

○日本銀行や財務省は、それぞれ役割を果たしているのか。

○日本経済を取り巻く「6重苦」(高い法人税・労働規制・自由貿易協定の遅れ・温暖化ガス削減・電力不足・円高)に加えて、東日本大震災や原発事故への対応等に迫られている現状をどう打開していくのか。

○外国企業から日本に魅力を持ってもらうためにはどうすべきか。

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